わたしたちの思い
「4ヶ月の長女窒息死、母親逮捕」「男児白骨 8年閉ざされたドア」「衰弱死の3歳「ママ、入れて」」、そして「川崎中学生殺害」。子どもたちの虐待に絡む事件が報道されるたびに、胸がつぶれそうになります。どうしてこんな悲惨なことが続くのか、どうしたらこんな理不尽なことをなくせるのか、そんな思いを持つ人は少なくないでしょう。
厚生労働省によると、平成26年の全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は88,931件で、年々増加の一途をたどっており、虐待等によって死に至った子どもも平成25年度で69人にのぼります。
全国で4万6000人の子どもたちが、虐待や経済的な理由で、社会的養護を必要としていると言われ、千葉県内にも約1400人の子ども達が社会的養護のもとに暮らしています 。
しかし現在の社会的な流れは、社会的養護が必要な子どもたちを、可能な限り家庭的な環境において安定した人間関係のもとで育てることができるよう、施設のケア単位の小規模化を進め、そして里親やファミリーホームが推進されようとしています。
しかしながら、このような適切な養育環境を子どもたちに確保するには、資金的にもまたマンパワー的にも多くの課題があります。
施設を家庭的にすることも大切ですが、里親のもとで暮らすことが望ましい子どももおおぜいいます。日本は諸外国と比べて里親の数が著しく少なく、充分ではありません。そして養護をうけている子どもたちの自立支援に関しては、まだまだこれからです。
子どもの6人に1人が貧困と言われる今、社会的養護の下にはなくとも、困難を抱える子どもも少なくありません。困難を抱える子どもの背景には,貧困やそれに伴う社会的孤立の問題が横たわっています。
孤立して子どもを育てている人たちと出会い、交流する機会をつくっていくことが必要です。
また、親から離れざるを得なくなった子どもたちが暖かい環境で育っていくためには、お金が必要です。
里親を増やし里親を支援する活動が必要です。
ボランティアの手が必要です。
何より、子どもたちへの愛情が必要です。
悲しくて寂しい体験を持つ子たちに粘り強く寄り添う人たち、ことにこれまでこういった子どもたちとあまり関わることなかった市民の皆さんとの、緩やかなネットワークを構築していきたいと思います。